MIDI POWER Pro2 ライナーノーツ
<曲解説>

1.
Twin Flight
アレンジバージョン第1弾、まずは軽いタッチのダンサブルな感じに仕上げてみました。 サックスが奏でる軽快なメロディから一転して4ビートのソロへと、元曲を知ってらっしゃ る方は「え?」とビックリされるかもしれませんが、アレンジ次第でこの様に色々な姿形 に変わっていく音楽の持つマカ不思議な世界をぜひ味わってみて下さい。(南部)
2.
Sky Swimming
ラテン・サンバのアレンジです。ブラジルの熱い風でSky Swimmingして下さい。 Saxには2音色使用しMOD AMPLITUDEかけて、息を吹く感じを出しています。(黒岩)
3.
海のかなたへ
海といえばサーフィンサウンド、思わずテケテケしてしまいました。SC−88でちょっ と歪んだギターサウンドを出すのはなかなか難しいのですが、何種類かを組み合わせてモ ズライトっぽい雰囲気を出してみました。副題は勿論「デジタルの若大将」!(南部)
4.
Wonderful Armor
この曲は元曲の持つスリリングな雰囲気を残しつつも、大胆にアレンジを加えてみまし た。特にギターやベース、ドラムの音作りは現代のフュージョンシーンのなかで活躍し ている超テクニシャン達を想定して創ってみました。ドアを開けるとそこには・・・・ 後はあなた自身が自由に想い描いて下さい。(南部)
5.
ナンセンス大公の陰謀〜Schizoid Doll
異様な雰囲気で始まるこの曲は、2曲分のメドレー。曲の途中、ほとんどのトラックでプ ログラムチェンジしています。特に後半、ポルタメントの掛かったシンセとドラムの乱れ 打ちは必聴です。(黒岩)
6.
君に会うために...
オーケストラ・アレンジのため。楽器一つ一つバランスをとるのに苦労しましたが美しい ピアノ協奏曲風に仕上がりました。ストリングスは、各トラックFINE TUNEで微妙にチュー ニングを変えてます。又、Master Toneは442.0Hzです。シーケンサーと音源を持っている 人は、曲中のテンポを変えて指揮者になりましょう。(黒岩)
7.
レッツ・チャレンジ!
オ・オーレ!!って感じ?パーカッションとストリングスが妙にエスニックです。イント ロのストリングスはSCALE TUNINGをアラビア風に変えてます。ベース音はフレットレスに モジュレーションを掛けたシンセベースを重ねています。(黒岩)
8.
THEME OF SALAMANDER 2
幻想的なパイプオルガンのイントロに続いて重厚なオーケストラサウンドです。メロディー のトランペットにはトロンボーンを重ねて音に厚みを出しています。(黒岩)
9.
Silverly Wings Again
この曲はかなり元曲に忠実にアレンジしてみました。ソロ部分もテーマのスピード感に 負けないようにサックスとストリングスが頑張って盛り立てています。イントロのSE 部分は最近私が凝っている「ナスカの地上図風幾何学模様ピッチベンド」?を使ってみ ました。(南部)
10.
Sensation
この曲も前曲同様のアレンジをしています。元曲自体かなりドラマチックに転調してい るので、こちらもそれに負けないようにソロ部分は大胆に展開してみました。後テーマ からエンディングに至る部分も、なかなか哀愁があって結構気に入っているのですが如 何でしょうか?(南部)
11.
Speed
バンドスタイルのスタジオライブ風です。ベース、ブリブリ言わせてます。ギターのワ ウはMOD TVFを使ってフィルターを開け閉めしてます。又、テンポチェンジを細かく設定 することで、ヒューマンなノリを出してます。(黒岩)
12.
Dear Blue
オリジナル曲の雰囲気を忠実に、SC-88で再現してみました。この曲のドラムはDANCE を使っていますが、別トラックでSTANDARD2のハイハットを使って鳴らしてます。 これによってロック風になりました。(黒岩)
13.
BEGINNING FROM THE ENDLESS
シンセサウンドとオーケストラの共演です。ドラムはORCHESTRAとELECTORONICを2ト ラックで使い分けてます。ベースにはバンジョーの音を重ねて歯切れのよい音にしてま す。(黒岩)
14.
Fire Tripper
この曲は恐れ多くもスパニッシュ調にアレンジしちゃいました。フラメンコギター特有 の奏法を再現するのはかなり大変でしたが、雰囲気は割と旨くでてくれたと思います。 (南部)
 
<ライナーノーツ>

*南部栄作
さて今回私が担当した曲をアレンジするに当たり、一つのテーマとして古今東西の名ギタ リスト達を曲ごとに参加させてみたつもりなのですが、皆さんはお聞きになって如何だっ たでしょうか?ちなみに頭の中に想い描いたギタリストはP氏、T氏、W氏、一曲 飛ん でV氏、P氏の順です。 一人でも分かってもらえたら嬉しいーなぁー。
*入江茂明
 さて、久方振りのMIDI POWERのお仕事です。

 今回のMIDI POWERではアレンジの方向性を「アレンジャーにお任せ」ということで始まりました。音源はSC-88。 「コッ!コレハドウシタコトダ?今まで僕たちが手がけた時と違う!アーケードゲームを忠実に表現するには少ない発音数のSC-55を使い倒してプログラムチェンの山を築き上げながらやった前回までの時とはまったく違う!なっ何とアレンジもお任せだって!...ラッキー!!!」

 アレンジャー(マニピュレーター)は、MIDI POWER Ver.2やVer.4も手がけた南部・黒岩で、guitarの南部・アンサンブルの黒岩とでも言える二人です。
 今回最大のテーマは、「MIDIデータを使ってどれだけ上手いミュージシャンを表現できるか(雇えるか)」でした。
 そこでまず初めに、「どこまでアレンジしてしまったら『やり過ぎ!!』と言われるか」
に挑戦!何と無謀な挑戦なのか!

 「ツインビー・ヤッホー!」から手をつけました。ところがなかなか思ったように(?)「やり過ぎ!」コールは出てきません。(今になって思えば、もしかしたらノッケから「やり過ぎ!」ていて「アレンジお任せ」ということになっている都合上、なかなか「言い出せなくて」状態だったのかもしれません。)

 それよりも、「このサックスの音、ちょっとショボイんとちゃいますか?(コナミの人はやはり関西人が多いのです)このオルガンの人、あまりうまくありまへんナー!もっと高いギャラの人を雇ってもらえまへんか?アレンジは色々と仕掛けがあって凝ってますけど、何か曲全体の特徴がありまへーん!(正しい関西弁とはチャイマスネー)」とのキッツイお言葉。更に、南部も黒岩も曲ごとにアレンジをどういう風にしようかと悩みまくっております。

 「コッ!コレハドウシタコトダ?今まで僕たちが手がけた時と違う!アーケードゲームを忠実に表現するには少ない発音数のSC-55を使い倒してプログラムチェンの山を築き上げながらやった前回までの時とはまったく違う!なっ何とアレンジもお任せだって!...アンラッキー!!!」となってしまうのか?

 南部・黒岩と共に、「このサックス、ショボイって!...expression、modulationを長めの音にかけていかないとやっぱりだめかな?このキーボードプレイヤー下手だって言われたよ...もっとグリグリのフレーズに変えようよ!何かインパクトを出すとすると〜〜...メロのギターと口笛の組み合わせをギターとサックスの組み合わせにしてト、ホーンセクションの下の音が余り利いていないからこれオルガンに変えてみない?人間ノリを出すのにtempo changeを入れてみたけど如何?」等など各曲各々をどんどんバージョンアップして幾年月。(DTMをやっている人たちは、付けてある曲データを見てもらうと、もしかしたら僕たちの試行錯誤の経緯が垣間見える...かもしれません)

 ようやく(?)「これはちょっとやり過ぎ!」が出たのは「レッツ・チャレンジ」。原曲がメジャーの曲をマイナーにアレンジしてしまってはヤッパリいけなかったのか!ただ「アレンジ全体の出来は捨て難いものがありますね」のお言葉をいただき、めでたくボーナストラックと相成りました。

 やっと、何となく「やり過ぎ!」ラインが見えてきたところで(ホント?)「サラマンダ2」にいきなり(ここだけの話、当初はツインビーでCD1枚の予定だった)突入!
 このシリーズでは「前回までの『原曲のイメージで音をゴージャスにする』に沿った曲も入れておきましょう」との意見の一致を経て収録されているようなアレンジのバリエーションになりました。

 「FIRE TRIPPER」ではguitarの南部の本領発揮の感がありguitarの打ち込みには鬼気迫るものがあります。黒岩も流石にオーケストラものに、十分広がりのあるアレンジをしてくれたと満足しています。
 また各曲アレンジするに当たってそれぞれにテーマを設けて、例えば「ギターを、この曲はだれそれ風、この曲はだれそれ風」というように作っていきました。

 お聞きいただいて如何でしたでしょうか?僕らもアンケートはがきはすべて見せて貰うことになっていますので、色々なご意見・ご要望を是非アンケートはがきに書いてお送りください。今後のMIDI POWERシリーズへの参考にさせていただきます。

 最後になりましたが、制作に当たって色々と的確なご指導をいただいたKME福武氏、レコーディング時に大変お世話になったStudio YOUの山本氏に心より感謝いたします。
 それでは皆々様方には、今後もMIDI POWERシリーズをお楽しみいただきたく存じます。

USP