おまけ企画 Kamakur@ブラブラウォーク 第1回目

 さて、旅人たちは皆本くんの後を追って、JR横須賀線『北鎌倉駅』から出発することにした。
『Kamakur@Love』第6話、7話の舞台である。
(いと淋しい駅前風景ではあるが、こういう日もあるということで、敢えて最初の写真に持ってきたりしてみたりして…)

 大祐が初めて、朝比奈源太郎と出会ったのも、この『北鎌倉駅』である。
駅のホームは小さな駅舎とは不釣合いなほど長く伸びており、この路線がローカルな旅客を支えると同時に、この地域から都心へ向かうサラリーマンたちの重要な足になっていることを窺い知ることができる。
(電車が来ている時には決してマネをしてはいけないアングルで写真を撮ってみた…)


(北鎌倉駅ホームを見通す)

 JR横須賀線は、富国強兵の明治時代、横須賀軍港への物資輸送手段として設けられた国策鉄道であり、そのこともあるのだろう、ここ北鎌倉では円覚寺の境内を躊躇なくズバンと横切っている。
(右の写真では判りづらいが、ちょっと見、公園みたいな境内を線路が躊躇なくズバンと横切っているのである…)

 

 『北鎌倉駅』はのちになって円覚寺や地元民の要望で、夏場の臨時停車場として設けられたのがその始まりだそうな。

北条由里がバイクで乗り込んだ駅前の広場である。よく晴れた休日などは、大勢の観光客が押し寄せ、少ないキップの販売機には観光客の列が長く伸び、電車の時間に合わせて駅についても乗れない
(ほらね♪ 晴れた休日ともなると、駅前はこんな風になってしまうのである…)


(北鎌倉駅の駅舎)

 「北鎌倉から順を追って行けば、円覚寺、東慶寺、浄智寺でしょ、明月院建長寺、浄光明寺、海蔵寺銭洗い弁天に佐助稲荷、寿福寺英勝寺から鶴岡八幡宮で鳩と遊んだら、次は北條氏執権邸跡の宝戒寺、そして金沢街道を東に進んで、鎌倉宮に瑞泉寺、浄妙寺、杉本寺に報国寺、そしていったんバイクを降りて、ハイキングコースも歩きたいわね。」
 タフな女である。
もちろん真似はできないが、とりあえず、「北鎌倉」の駅からすでにその姿が見えている円覚寺である。

 円覚寺は、鎌倉五山の第二位に定められた名刹。開山は、仏光国師無学祖元。
鎌倉幕府八代執権、北条時宗が「文永の役」「弘安の役」と二度に渡って来襲した元寇の後、両軍の死者の霊をわけへだてなく慰めるために、創建したと伝えられる。
「山門を入ると、左右には大きな杉があって、高く空を遮っているために、路が急に暗くなった。その陰気な空気に触れた時、宗助は、世の中と寺の中との区別を急に覚った。静かな境内の入り口に立った彼は、初めて風邪を意識した場合に似た一種の悪寒を催した。」
夏目漱石が小説『門』で記述しているように、現在でも、円覚寺の門をくぐると、そこでは、この世とは一線画したような奇妙な感覚に襲われるのだ。

 そしてもう一度踏み切りを渡り戻って鎌倉街道沿いの浄智寺である。この寺への道は、鎌倉街道から不意に開ける。うっかりすると通り過ぎてしまいかねないくらい、なにげなくその道はある。
(こんなに何気ない浄智寺への入り口…未だに残っている赤い郵便ポストが哀愁を漂わせる…)


 浄智寺では必ずリスに遭える。
そして、おおきな玉と布袋さまと言っておこう。
(そのリスを撮影しようと、リスだけで数十枚の写真を撮ってはみたけれど、すばしっこいリスのこと、結果はさっぱりだったことだけご報告しておこう…)


(円覚寺)


(浄智寺)

 さて、鎌倉街道は横須賀線の線路を横切り、建長寺方面に向かう。



(C)2001(K) &(I)

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